2003年08月17日
川俣晶の縁側歴史と文化歴史資料館巡り total 2873 count

平和祈念資料展示館……見学成功

Written By: 川俣 晶連絡先

 先週見られなかった平和祈念資料展示館に行ってきました。

 今週はちゃんと見られました。

 場所は新宿の住友ビル(三角ビル)の31階。

 行ってみると、同じフロアに恩給関係の施設も入っているようで、そういう関連の施設の一環として、資料展示館が出来ているようですね。

 さて、行く前は戦争の悲惨さを訴えるお涙頂戴の施設かと思っていました。たとえば、終戦の日になるとテレビで放送される特番のようなものですね。最悪の場合、靖国神社遊就館のような、戦没者を慰霊するための景気の良い戦争称揚施設のようなものであることさえ危惧されます。

 ところが行ってみると、まるで違いました。

 この施設は大きく分けて3つのコーナーがあります。恩給欠格者、戦後強制抑留者、引揚者です。戦争を扱った普通の施設とは全く構成も重点の置き方も違います。

 恩給欠格者とは、旧軍人軍属としての在職期間が定められた年限に達しない等の理由により、恩給や年金を受けられない方々。彼らが使っていた品物などが展示されていました。

 戦後強制抑留者とは、ソ連に抑留されていた人達ですね。彼らが自分で作ったスプーンなどの道具や、収容所の縮尺模型、収容所内の悲惨な状況を再現した実物大の模型などがありました。自作の木製麻雀パイなどは、大きさも不揃いで、なかなか泣かせますね。

 引揚者とは、終戦で大陸から引き揚げてきた人達です。船の模型や、船内でどんな風に過ごしていたかを示す実物大の模型などがありました。

 更に、ビデオ上映のスペースがあって、丁度ビデオが上映されるというので見てきました。内容は、歴史を専攻する大学生が満州に行って、かつて日本人がいた場所などを見てくるというものでした。これはなかなか面白いですね。当時、そこに居た人達が語る体験談、学者の説明、実際に大学生が現場に行って日本人が住んでいた建物を見てくる映像、そして過去の状況はアニメの映像として製作されていました。スタッフロールによるとアニメは日本アニメーション制作のようです。多元的に満州や挑戦からの引揚者の状況を表現している意欲的なビデオ映像だったと思います。

 場所が非常に便利であるだけでなく、入場無料でもあるし、新宿で暇ができたら立ち寄ってみると良い場所だと思います。